もちろん完全に値動きは同じではないため、突発的な有事が起きれば誤差は生じます。最近ではイギリスがEUから離脱したため、GBPだけが一時的に大きく動くこともありました。現在は値動きは安定しています。
基本的にはGBP/JPYとEUR/JPYは同じ値動きをしますが、両者の均衡が崩れるときに両建て手法で利益が生まれます。例えば、GBP/JPYを売って、EUR/JPYを買います。
両者は同じ値動きをしながら、GBP/JPYが上昇しているときはEUR/JPYも上昇しています。逆にGBP/JPYが下降しているときはEUR/JPYも下降しています。
しかし、GBP/JPYが下降しているときにEUR/JPYが上昇することもあるため、このときに保有ポジションに含み益が生まれます。以下に、ここまでのトレード手法をまとめました。
通貨ペア
- GBP/JPY
- EUR/JPY
使用FX社
- スプレッドの低いFX社
- スプレッドが原則固定のFX社
この2点に合うFX社を使用して、トレードをします。
トレード方法
トレードルールは、GBP/JPYを売りでエントリーして、EUR/JPYを買いで同時にエントリーします。このときの保有ポジションは、必ず1対1にします。GBP/JPYを1万通貨売ったのであれば、EUR/JPYは1万通貨買います。
ポイント
両建て手法では、GBP/JPYを売って、EUR/JPYを買います。逆にGBP/JPYを買って、EUR/JPYを売ることはしません。何故なら、同じ両建てでも、GBP/JPYは下降する割合が大きく、EUR/JPYは下降する割合が普通であるためです。
GBP/JPYを売って、EUR/JPYを買う方がリスクは少ないですし、利益を生みやすくなります。
ポイント2
GBP/JPYが上昇していて、EUR/JPYが下降している場面に遭遇することもあります。このときに両建てポジションを保有していれば含み損になります。しかし、直ぐに焦る必要はありません。
両者の通貨ペアには相関性があり、いずれ元の状態に戻ります。同じ値動きや値幅の均衡を保ちながらも、片方が乱れたとしても時間と共に元に収束します。
例えれば、ボリンジャーバンドの形と同じです。普段は形が収束していますが、一時的で大きく形が開いて推移します。しかし、時間と共に収束して元の形に戻ります。これがGBP/JPYとEUR/JPYの動きそのものです。
エグジット
エグジット方法は2種類用意しました。トレードに相性が合う方を選択してください。
エグジット1
両建てポジションを保有したら、OCO決済注文をします。
パターンA
GBP/JPYとEUR/JPY共に利確は1円、損切りも1円です。
パターンB
GBP/JPYとEUR/JPY共に利確は1円、損切りは50銭です。
エグジット2
利確や損切りは適材適所で行う方法もあります。ある程度、両建てポジションに含み損が出ていれば手動で決済します。いわゆる、スキルピングに近いエグジット方法になります。
逆に両建てポジションに含み損が発生しているときは、いずれ値動きが収束することを考えて保有し続けることもできます。数日ないしは数週間、両建てポジションを保有し続けるのであれば、スワップポイントも考慮する必要があります。
一般的に売りポジションを保有するとマイナススワップポイントは大きくなります。買いポジションを保有するとプラススワップポイントは少し増えます。
つまり、GBP/JPYの売りポジションでは、スワップポイントが大きくマイナスになり、EUR/JPYの買いポジションでは、スワップポイントが少し増える程度です。
ポジションの保有が短期間であれば、大した損益にはなりません。しかし、ポジションの保有期間が長いと思わぬ損失に繋がります。対策方法としては、買いスワップと売りスワップが同じFX社を使用します。
エントリー方法
トレードする際のエントリー方法は明確に決まっていません。状況に応じて、テクニカルやファンダメンタルズを使用しならがエントリー位置を決定します。
明らかに、GBP/JPYだけが上昇トレンドの最中に両建てするのは避ける方が賢明です。逆にEUR/JPYだけが下降トレンドの最中も同じことが言えます。
GBP/JPYとEUR/JPYは相関性のある同じ値動きをしますが、個々に短い時間の値動きを見極めるのは至難の技です。
何故なら、GBP/JPYはUSD/JPY×GBP/USDで為替レートが決定します。つまり、二つの為替レート(USD/JPY×GBP/USD)の動きに左右されてしまうのです。
- USD/JPYが上昇しているときに、GBP/USDが下降しているときもあります。
- USD/JPYが上昇しているときに、GBP/USDが上昇しているときもあります。
- USD/JPYが下降しているときに、GBP/USDが上昇しているときもあります。
- USD/JPYが下降しているときに、GBP/USDが下降しているときもあります。
同様にEUR/JPYにも同じことがいえます。USD/JPYであればUSDとJPYの二つだけの値動きを考えれは良いですが、GBP/JPYとEUR/JPYは簡単でありません。そのため、短期間な値動きに左右されてテクニカルに頼るよりは、裁量でエントリー位置を見極める方が賢明です。
トレード例
裁量でエントリー位置を見極めて、同時にGBP/JPYを1万通貨売り、EUR/JPYを1万通貨買いました。決済はOCO決済注文(利確1円:損切り50銭)に設定しました。GBP/JPYとEUR/JPYの為替レートが下降を始めました。その後、GBP/JPYが1円の利確。EUR/JPYが50銭の損切りになりました。
合計=+50pips
トレード例2
裁量でエントリー位置を見極めて、同時にGBP/JPYを1万通貨売り、EUR/JPYを1万通貨買いました。決済は裁量で行います。両建てポジションに20pips程の利益になれば決済します。
この例では、GBP/JPYが+40pip、EUR/JPYが-20pipsで合計+20pipsになります。もしくは、GBP/JPYが-20pip、EUR/JPYが+40pipsで合計+20pipsになります。
両方のポジションを同時に手動決済します。トレードはスキルピングのような方法で数十pipsを積み重ねます。損切りも裁量で行います。-20pips程度で損切りしても良いですし、そのままプラスになるまで待つことも可能です。
両建てポジションがマイナスになったとしても、いずれGBP/JPYとEUR/JPYの為替レートは収束していきます。ポジションの保有期間が長いのであれば、スワップポイントも考慮して、買いと売りが同じスワップポイントのFX社をトレードに使用します。
注意事項
イギリスがユーロから離脱するときにGBP/JPYだけが大きく下落する場面がありました。このときにエントリーをして両建てポジションを保有し続けた場合は含み損が大きくなります。
例えば、GBP/JPYだけが140円から130円まで下落して、EUR/JPYは120円のままです。もし、GBP/JPYが130円のときに両建てポジションを保有したのであれば、両者の為替レートはいずれ収束するため、GBP/JPYは140円、EUR/JPYは120円に戻ります。こうなるとGBP/JPYのポジションが大きくマイナスになります。
このことからも、大きな政治局面や突発的な有事では、長期間のポジション保有は控えるべきです。また、GBP/JPYとEUR/JPYの間には常に20円程度の開きがある方がトレードには安全です。
両建て手法はデモトレードで十分に検証をしてください。トレード方法やエントリー方法、エグジットなどは練習を重ねて、万全の状態で行ってください。
まとめ
GBP/JPYとEUR/JPYの通貨ペアは、値動きの相関性が高いため、両建て手法により安定した利益が見込めます。
もちろん、FXに確実や絶対はありませんので、しっかりとデモトレードで検証をして、損切り方法も練習してください。
多くの方に利益が出ることを願がっています。
応用ルール
両建て手法は、他に2種類の通貨ペアでトレードが可能です。
- USD/JPYとCAD/JPY
- AUD/JPYとNZD/JPY
両者の通貨ペアの価格幅が15円以上の開きがあれば次の設定でトレードします。
- USD/JPYを売りとCAD/JPYを買いで両建て
- AUD/JPYを売りとNZD/JPYを買いで両建て
両者の通貨ペアの価格幅が10円未満であれば次の設定でトレードします。
- USD/JPYを買いとCAD/JPYを売りで両建て
- AUD/JPYを買いとNZD/JPYを売りで両建て
両者の通貨ペアの価格幅が10~15円に収まっていれば、レンジ相場と判定して、トレードは控えます。USD/JPYとCAD/JPYの通貨ペアやAUD/JPYとNZD/JPYの通貨ペアの組み合わせは、価格の推移に壮観性があります。両者は、長年同じような方向性を持ちつつ価格推移しています。
相関性のある通貨ペアを両建てすることにより、サヤ取りして利益を得ます。両者の通貨ペアの価格幅が広がるほど、後に収縮する傾向にあります。一方、両者の通貨ペアの価格幅が狭まるほど、後に広がる傾向にあります。このような通貨ペアの性質を利用して、両建てトレードをします。
トレード例
AUD/JPYが85円で、NZD/JPYが65です。AUD/JPYを一万通貨で売りエントリーをしました。同時に、NZD/JPYを一万通貨で買いエントリーをします。2つのポジションの損益を合計して、含み益が発生していれば利益確定します。今回は、50pips程度の利益が発生したのでエグジットしました。
トレード2
USD/JPYが100円で、CAD/JPYが88円で価格推移しています。両者の価格幅は12円です。10~15円以内は、両者の方向性がわかりにくいため、トレードはしません。むやみトレードを行い、予想と逆行した場合は損失幅が広がるため、トレードを見送ることも重要です。
トレード3
AUD/JPYが85円、NZD/JPYが80円で価格推移しています。両者の価格は狭まり過ぎているため、いずれ反発することを想定して、AUD/JPYを買いでエントリーします。同時に、NZD/JPYを売りでエントリーします。両者のポジションの利益と損失を合計して、含み益が発生すれば、利益確定します。
ポイント
USDとCADであれば、USDが経済規模は大きいです。同じようにAUDとNZDであれば、AUDが大きいです。そのため、経済規模の大きい通貨ペアに従い、トレードルールを構築しています。
2018年現在であれば、USD/JPYは110円、CAD/JPYは84円です。USD/JPYの為替レートに比べて、CAD/JPYの為替レートは低い傾向にあります。両者の値幅は、いずれ狭まると予想がつきます。
一方、AUD/JPYは85円、NZD/JPYは80円です。AUD/JPYの為替レートに比べて、NZD/JPYの為替レートが高い傾向にあります。いずれ、NZD/JPYが下がると予測して、AUD/JPYを買い、NZD/JPYを売りでエントリーします。
原則的に経済規模の大きい通貨ベアを小さい通貨ペアが超えることはありません。つまり、USD/JPYをCAD/JPYが超える超えることはなく、同様にAUD/JPYをNZD/JPYが超えることはありません。
但し、ポンドやユーロは性質が違うため、このルールは通用しません。あくまでも相関性が高い、USDとCAD、AUDとNZDに限ります。このような通貨の性質を利用して、両建てトレード手法を構築しました。
コメントを残す